和装・ヘアメイク

これだけは知っておきたい
「花嫁和装の用語辞典」

2022.10.24

和装、なかでも花嫁衣装には耳慣れない言葉がたくさん。そこで、衣装選びや試着時に役立つ用語を解説。知っていれば受け継がれてきた日本の伝統文化や、きもので嫁ぐ意味をより深く実感できるはず。

きもの

きもの

白無垢

打掛から掛下着、合わせる帯や小物にいたるまですべてを白で統一した、格式高い挙式用の衣裳。室町時代ごろから<婚礼に用いられるようになった。綿帽子か角隠しをつけて挙式にのぞむ。最近では裾や袖口、衿元などに赤のラインを入れたり、図柄に金糸・銀糸を用いて華やかさを演出したものも。

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色打掛

きものの上に打ち掛けて羽織ることから打掛と呼ばれ、白以外のものを総称して色打掛という。色地に刺繍や染め、箔などの技法で鶴亀、鳳凰、松竹梅といった華やかで縁起のいい絵柄あしらわれている。

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掛下着

打掛の下に着る振袖。おはしょりをとらず、裾を引くように着付ける。白地が基本だが、色打掛の場合は色ものの掛下着を合わせてもいい。

引き振袖

おはしょりをせずに、きものの裾を引いて着るのが特徴。衿、袖口、裾に別布をつけた比翼仕立てや裾のへりの部分には綿を入れてふっくらさせるなど、成人式に着る振袖とは仕立てが異なる。また、帯や小物とのコーディネートで純和風から和モダンまで、さまざまな表情を演出できる。

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吉祥模様

文様のなかでも、婚礼衣装などに用いられる縁起のよい図柄を吉祥文様といい、幸せになってほしいという願いが込められている。鶴と四季の花々を描いたりなど、二つ以上の吉祥文様を組み合わせることも多い。

記事:いま選ばれる和装(四)幸せへの想いを込めた「吉祥文様」

小物

抱え帯

本来はきものの裾をたくし上げ、押さえておくために帯の下のほうで結ぶ細い帯のこと。
現在では花嫁衣裳のみに用いられ、装飾的な役割に。

足袋(たび)

礼装では白が基本。かかとから足首にかけて、こはぜと呼ばれる留め具がついている。
こはぜが4枚の足袋が一般的だが、フォーマルな装いには5枚のものを。
シワが出ないようにぴったりのサイズを選ぶのが大切。

肌襦袢(はだじゅばん)

肌の上に直接着用する下着。汗や皮脂からきものを守る役目がある。衣裳をレンタルする場合でも、
肌襦袢や裾よけなどの下着は自分で購入して持参するのが一般的なので、必ず衣裳店に確認しておこう。

礼装には織りの帯を合わせる。なかでも婚礼衣裳に用いるのは、最も格式の高い第一礼装用の丸帯。
打掛の下には、丸帯だが一般の帯より幅、長さともに小ぶりの掛下帯を用いる。

帯締め

帯の上から結んで押さえる装飾品。婚礼衣裳では、中に綿を詰めた「丸ぐけ」といわれるタイプを使う。
帯との色合わせが着こなしのポイントになる。

末広

扇子のこと。形状から「末広がりでおめでたい」との意味が込められており、縁起物としてこの名で呼ばれる。
花嫁衣裳以外にも、正装には男女ともに持つ。開いて使うのはマナー違反なので注意して。

筥迫(はこせこ)

江戸時代、武家の女性たちが鏡、白粉、紅筆などの化粧道具や懐紙を入れて持ち歩いた、いわゆる化粧ポーチ。
現在では花嫁の正装用に転じ、装飾品としてきものの胸元を飾る。

裾よけ

肌襦袢の下、腰に巻きつけて用いる下着。長襦袢の汚れを防ぐと同時に、足さばきが楽になり歩きやすくなる効果も。
肌襦袢と裾よけが一体化したワンピースタイプもあり、好みで選ぶことができる。

帯揚げ

帯を結ぶときに帯枕を包み、前の上端におさめて飾る布。しょい揚げ、せおい揚げともいわれる。
帯の上から見えるため、装飾的な意味合いも強い。

懐剣

武家の女性が護身用として持っていた短刀で、打掛が武家の娘の花嫁衣裳であった名残。
また剣は古くから神の宿るものとして神聖視され、魔除けのお守りとしても用いられてきた。
帯の左側にさし、アクセサリー的な役割も果たす。

草履(ぞうり)

かかとに高さがあるものが礼装用。白無垢の場合は草履も白で統一する。
色打掛や引き振袖には佐賀錦など布製で金色ものを用いることが多いが、きものの色に合わせて選んでもいい。

ブーケ

和装での撮影や披露宴のお色直しにきものを着るなら、ブーケでアクセントをつけるのも素敵。
描かれた文様、地の色や柄の色などに合わせて選ぶと失敗がない。
組紐や水引を使った和を感じさせるアレンジもおすすめ。

髪型

洋髪

日本髪に対する言葉で、文金高島田など日本ならではの髪型以外を指す。最近は和装に洋髪を合わせる花嫁も多い。
ドレスから和装へのお色直しが手早くできるうえ、いつもの自分らしさを生かせる。衿足がきれいに見える
アップスタイルが基本。和装は肩から袖に布の分量があり華やかな色柄のため、それに負けないようにどこかに
ボリュームを出すとバランスがいい。

文金高島田

江戸時代に登場した髪型で、頭頂部で束ねた高いまげが特徴。未婚女性の髪型の代表的なもので、明治時代以降、
花嫁の正装として定着した。現在では、ほとんどの花嫁がかつらを使う。かんざしは、左右対称につけるのが基本。

綿帽子

文金高島田にかぶる白い袋状の布。白無垢での挙式にのみ合わせることができる。

角隠し

文金高島田の上につける帯状の布。江戸時代の女性が外出の際に魔よけやほこりよけとしてかぶっていた
揚帽子(あげぼうし)が原型といわれる。白無垢、色打掛、引き振袖、すべてに合わせることができる。

初出:「日本の結婚式」No.9
構成・文/渡辺公子
イラスト/辻ヒロミ
2022年10月一部改訂

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