平成から令和へ
神社で結婚式を挙げる意味
平成から令和へ、時代が変わるという歴史的な瞬間を目前に開催された神社結婚式振興会の研修会。全国各地の神社の神職を中心に、これからの時代に神社としてどのような取り組みをしていくか、各神社からの講演や情報交換が行われ、たいへん興味深い話を聞くことが出来た。その一部をこちらの記事で紹介する。
神前式の創始と広まり、その意義
現在の神前式は、明治時代に創始されたものです。それ以前の結婚の儀式も、各家庭の床の間に神様を祀り、祭壇を設けて行われており、日本各地に伝わる様々な作法で行われていました。
明治時代になり藩政から中央集権へと移り、全く違う風習の出身者同士が婚儀を交わす時代となり、日本全国共通の作法が求められるようになったのです。時に大正天皇のご成婚を機に、日比谷大神宮(現在の東京大神宮)に於いて神道研究の有識者による近代日本に相応しい結婚式が形作られました。
近代神前式はこれまでの日本の風習を踏まえ簡潔にまとめられた大変素晴らしい儀式形態であったので、日本全国に違和感なく、進んで受け入れられていきました。
日本人の殆どが神前式を実施していた時代から、この30年で状況は一変しました。様々なスタイルの挙式を実施する時代となった今、改めて結婚する世代に、神社として神前の儀式に込められた日本の心と形式美をしっかり後世に伝えていかなければならないと考えています。
日本人は自分自身の意識や魂の有り様を見つめる民族であり、儀式は自分の立場や年齢を把握しそれに応じた心を作る大切なものとして尊重されてきました。
結婚は人生の岐路であり、大きな節目だからこそ儀式が重視されました。これからの二人の人生や結婚生活にしっかり向き合った家庭を築き、繁栄させていく決意の場となるように。神前式はそのような意味が込められた素晴らしい儀式です。
馬橋稲荷神社では事前に神前結婚式の意味をお話しする時間をしっかり取り、リハーサルも細かく行って、当日安心して、心を込めて式に臨めるよう心掛けています。