平成から令和へ
神社挙式についてを神職に聞く
平成から令和へ、時代が変わるという歴史的な瞬間を目前に開催された神社結婚式振興会の研修会。全国各地の神社の神職を中心に、これからの時代に神社としてどのような取り組みをしていくか、各神社からの講演や情報交換が行われ、たいへん興味深い話を聞くことが出来た。その一部をこちらの記事で紹介する。
神前挙式をする意味は何だと考えていますか?
先祖から受け継がれてきたそれぞれの家と家の結びつき、命の繋がりを意識し、両親に対する感謝の心を抱くことだと思います。
ホテルや専門式場と比べて、神社での神前挙式をする魅力はなんでしょうか?
四季折々の自然と鎮守の杜に漂う気を肌で感じ、結婚式を通して日本の伝統、文化を感じることです。
結婚式における神職の役割は何でしょうか?
神様と挙式をするふたりを繋ぐ役割を行うのが神職。日本の伝統優美な雰囲気を厳粛に醸し出し、ふたりや両親が安心して挙式に臨めるようにサポートすることです。
居木神社では、両家の実家(両親)からお供え物を準備頂いています。前日までにご持参頂くか、郵送頂いていますが、お供え物は、ご実家の地域の農作物や海産物、お酒やお菓子などが多いです。外国の方だと、ワインやウイスキー、チョコレートなどもあります。当日、ご両親はご自分たちが用意した奉納品が神前に上げられているのを見てとても安心されます。
神職として結婚式を執り行う際に、心掛けていることは何でしょうか?
境内や御社殿を常に清浄に保ち、全身全霊心を込めて、美しい作法と立ち居振る舞いをすることです。
数日前には必ずリハーサルを実施し、結婚式当日は、おふたりに、神様とのつながり、神職とのつながりを安心して感じられる式になるように心掛けています。参進の際に、朱傘(長柄の差し傘)を持つ役目は、なるべく兄弟にお願いし、役を務めていただくことによって参加意識を高め、親族の心が一つになるようなお願いもしています。
日本全国数多くある神社の中から、結婚式をするための神社を選ぶポイントは?
氏神様(自らが居住する地域の氏神様をお祀りする神社)で行うのが一番望ましいと考えますが、そうでない場合は、一生のうちで大切な結婚式をするために、ふたりにとって、安心感、親近感を感じることができ、縁のある、相応しいと思われる神社がよいのではないでしょうか。神職や巫女に話を聞き、信頼関係を築くことが出来るとその後の神社との付き合いもよいものになると思います。
新郎新婦に対して、どういう気持ちで神前結婚式を迎えて欲しいと思いますが?
周りの方々に対して感謝の心を。そして心安らかに式を迎えて欲しいと思います。ふたりの息を合わせ、神様への感謝と誓いを心を込めて行い、相手を思いやる気持ちを生涯忘れないように、結婚式を迎えて頂ければと思います。