【大人ウエディング講座】
美しい花嫁姿を叶える結婚準備ガイド
美しい花嫁目指して、しっかり段取りを!
「結婚式の準備スケジュールに決まりはありませんが、まず衣裳プランを立てると進めやすいと思います」と語るのはウエディングプランナーの岡村奈奈さん。まずはどんな衣裳を着たいか、お色直しは何回したいかなどを考えながら情報収集を始めよう。
軸になるのは挙式スタイル。神前式にするのかキリスト教式にするのかで、選ぶ衣裳は大きく変わってくる。反対に、白無垢を着たいから神前式にするという選び方もある。挙式用の衣裳が決まったら、披露宴での衣裳やお色直しの回数を考えていく。
同時に会場選びもスタート。着たい衣裳のイメージができていれば、それを思い描きながら探そう。会場が決定したら、衣裳店や会場の衣裳室に出向いて、実際に試着。「衣裳は3ヵ月前に決定を。小物はリハーサル前の2ヵ月前を目安に」と岡村さん。
2ヵ月前には会場のコーディネートを決める。衣裳がより映えるような空間をめざしたい。1ヵ月前のヘアメイクリハーサル、1週間前のネイルやシェービングは、本番に向けた花嫁にとって重要なステップ。家でできるスキンケアやヘアケアも積極的に取り入れ、当日を最高の状態で迎えて。
6ヵ月前/挙式スタイルと披露宴会場に合わせてどんな衣裳を着るか決めよう
挙式スタイルに合わせてメインの衣裳が決まったら、披露宴に着る衣裳やお色直しを何回するかなどを決めていこう。お色直しで和装から洋装、洋装から和装へのチェンジは時間や費用がかかる場合があるので、衣裳店や会場のスタッフに希望を伝えて相談を。
ここでは、どんな衣裳を着たいか、どんな会場で結婚式をするかに合わせた、実際の花嫁の衣裳プランの例をご紹介。
3ヵ月前/じっくり派もお急ぎ派も3ヵ月前には衣裳を決定しよう!
プロのアドバイスを聞きながら 満足できる衣裳選びを
結婚式の3ヵ月前以降は、会場の担当者との打ち合わせや招待客の決定から招待状の発送など、しなければならないことがたくさん。そのため、衣裳はそれまでに決めておきたい。
「雑誌やインターネットでリサーチをして、着たい衣裳のイメージを持つこと。衣裳店に行く前に種類や予算などだいたいの希望を考えておくとよいでしょう」と岡村さん。コーディネートやヘアメイクをどうしたいかなども自分なりにイメージしてから下見や試着に。
一方、何を着ていいのかわからないという人は、まず衣裳店に行って相談するのも方法。衣装選びは新しい自分を発見できるチャンスでもある。衣裳のプロのアドバイスに耳を傾け、「この色は私に似合わない」などと決めつけずに、まずは試着してみよう。また、顔の形や体型で「この衣裳はNG」と思われがちなものも、プロのちょっとした工夫や調整で似合うようにできる。
試着時は鏡で見るだけでなく、写真を撮るのがおすすめ。「後ろ姿も見られますし、写真のほうが客観的な見方ができます」と岡村さんはアドバイスする。
2ヵ月前/花嫁を美しく見せる会場コーディネートを考えよう!
どんなに素敵な衣裳で似合っていたとしても、披露宴会場とのバランスも忘れてはいけないポイント。
「外光が入る明るい部屋なら、濃いめの落ち着いた色のテーブルクロスに。ウエディングドレスの場合、薄い色より濃い色のほうが映えます」(岡村さん)。逆に暗い会場では白いテーブルクロスを選ぼう。
色打掛を着るなら、装飾は衣裳と反対色にするといい。ピンクの衣裳ならグリーン系、淡い色の衣裳ならビビッドカラーの装飾に。座っている時間が長い披露宴では、胸元や肩にデザインのあるものや卓上の装花で華やかさをプラスしよう。
1ヵ月前/リハーサルではプロにお任せして、結婚式にふさわしいメイクを
ヘアメイクは花嫁の魅力を引き立てる大切なポイント。追加料金がかかっても、リハーサルをするのがおすすめ。心得ておきたいのは、結婚式のヘアメイクは普段とは違うということ。仕上がりを鏡で見た状態で良し悪しを決めるのはNG。プロは衣裳や会場の照明など、日常とは異なる環境で映えるヘアメイクを知り尽くしているので信頼して任せることが大事。
また、リハーサルは本番に向けて美容担当とコミュニケーションを取る場でもある。「『アイラインは嫌』というよりは『優しく見せたい』など、なりたいイメージを伝えたほうがいいですね」(岡村さん)
1週間前/ヘアケアやシェービングなど、即効性のあるケアを!
1週間前ともなると、即効性のあるケアでビューティプランの仕上げを。「意外と大事なのが髪で、トリートメントやカラーリングでツヤ、コシをアップすると、写真うつりもよくなりますよ」と岡村さん。
和装に欠かせないのがブライダルシェービング。肌に透明感が出て明るく、血行よく見える。襟足から背中の産毛も剃っておこう。花嫁は手元を見られることも多いので、ハンドクリームを塗って手袋をして寝るなどの保湿ケアを。ネイルはヌーディな色が好感をもたれる。
当日/いよいよ本番!
エレガントな立ち居振る舞いを心がけて、どこから見ても美しい花嫁に
当日はゲストの視線が花嫁に集中する。似合う衣装を着てヘアメイクが完璧でも、立ち居振る舞いやマナーが悪かったら台無しに。まず、基本になるのが姿勢。特に和装は重いため、猫背になってしまいがちなので注意したい。「姿勢よく、ゆっくり動くことを意識して」と岡村さん。常に見られていることを意識して、「ゆっくりエレガントに」を心がけて。たとえば、振り返るときは首だけでなく、体ごとゆっくり向くのが秘訣。「ちょこまか慌ただしい動きは美しくないうえに、周囲から『大丈夫かしら?』と心配されてしまいますよ」(岡村さん)
最近は新郎新婦もゲストと一緒に食事を楽しむことが多い。ただし、スピーチや余興など、ゲストがふたりのために何かしているときには食べるのをやめて、相手のほうに体を向けて聞くのがマナー。たくさんの人に注目されて緊張するかもしれないが、ふたりが深刻な顔のままではゲストも楽しめない。肩の力を抜いてなるべくリラックスし、笑顔を絶やさないようにするのも大切なおもてなしのひとつ。
日本の結婚式No23
取材・文/渡辺公子
イラスト/原田マサミ