花嫁和装の基礎知識
~打掛の柄~
こちらの記事では、日本の結婚式30号「花嫁和装の基礎知識」の内容を交え、様々な色や柄が美しく、花嫁の美を演出する「色打掛」について、色や柄の意味の解説、花嫁の幸せを願いきものを取り扱う衣装店情報を紹介する。
「吉祥柄」の意味を知ろう
伝統的な和装に使われている柄は吉祥柄と言われ、幸せを願う「縁起物」が使われている。各柄の持つ意味を知るとより趣深い
亀
鶴は千年、亀は万年と言われるとおり、長寿の象徴。甲羅の六角形をモチーフ(亀甲紋)としてあしらうことが多い。
鶴
長寿の象徴。鶴は決まった相手と生涯添い遂げることでも知られており、婚礼衣装には必ず2羽以上の鶴が描かれる。
桜
日本を象徴する植物。春に限らず1年中着用可。サ=神、クラ=座るの意味があり、神様が降り立つ木、ともされる。
牡丹(ぼたん)
理想郷には牡丹が咲き誇るとされ、「嫁ぎ先が理想郷のような場所でありますように」との願いが込められている。
蝶
神前式では雄蝶と雌蝶にふんした巫女舞があるなど、蝶は吉祥文様。サナギから羽ばたく様子から出世や不老不死などを連想。
宝尽くし
七宝(財宝)、打ち出の小づち、巻物(知恵・知識)、宝袋など縁起の良い柄が集まった文様。豊かな将来を願っている。
鴛鴦(おしどり)
色や姿形が美しいばかりでなく、雌雄の仲睦まじい様子が夫婦円満、良縁、生涯連れ添うなどの意味をもつ吉祥文様。
貝
二枚貝は一つ貝になっており、他の貝と合わせても絶対にかみ合わないことから、一生涯連れ添う夫婦の象徴とされる。
雲
良いことの前触れとして現れる雲「瑞雲(ずいうん)」。空高くたなびく雲をモチーフにした文様。鶴と共にあしらわれることが多い。
流水
水の流れる様や海の波をあしらった吉祥文様は多い。絶えることなく繰り返される波や水のうねりに永遠の意味を重ねている。
衣裳の色と柄に想いを込めて・・・
花嫁衣裳界の鬼才、秋山章の作品をはじめ、美しい打掛を豊富に扱う衣装店「クチュールメゾン ヒサコタカヤマ」に人気の色打掛と色の意味、衣裳選びのポイントを聞いた。
【赤】
厄除け・魔除けの意味を持つ赤は、神社の鳥居や仏閣の橋、らんかんなどに用いられ、平安時代では一定以上の高い身分でなければ身に付けられない「禁色(きんじき)」だった。
真紅に浮かび上がる花雪輪に、墨の濃淡がモダンな印象を与えるうちかけ。
花雪輪には、【牡丹】【百合】【梅】【菊】などの柄が描かれている。花嫁を災いから守り、高貴で美しく幸せな場所へ送り出したい願いが込められた一着。一筆一筆幸せを願い、描きあげられた吉祥模様は、最高に美しい。
【黒】
祝儀においての黒は「不動のもの・何物にも染まらぬ決意」の象徴。和洋を問わず、高級感やフォーマル感、格式を感じさせる色。添えられた色を鮮やかに引き立てる特徴も。
日の本の国のめでたさの文様として、今昔の人々に愛された喜びの【鶴】が、光を放つ本貝螺鈿と金彩工芸により、流れるような美しさを奏でたうちかけ。
鶴の柄でも、羽を広げ飛んでいる鶴は多いが、立ち鶴は珍しく、真紅の【梅】と豪華に描かれた銘品は、大きな披露宴会場でも存在感があり、より一層花嫁の美しさを演出する。
【桜色】
桃の節句や桜に代表されるように、ピンクは春をイメージさせる愛らしい色。花嫁の愛らしさを引き立て、表情を明るく見せてくれる。
花嫁の憧れと夢を友禅で染め上げた華麗なうちかけ。【松】【梅】【御所車】【鶴】【菊】を始め、たくさんの小花が描かれた日本画のような一着。始まりの春を華やかに祝う、喜びの一着は、たくさんの人に愛されて欲しいという想いから、お母様が娘に着て欲しいとリクエストされることが多い。
【金】
金色には富や稔(みのり)、不変や神聖などの意味があり、和装の最高峰、婚礼衣装には取り入れられることが多い。
【御所車】【菊】【牡丹】など吉祥花文様が描かれ、贅を尽くした深みのある金彩と、白い花びら一枚一枚を埋める本貝螺鈿の虹色の光沢が格式と気品を高めている。秋山章の作品の中でも、最高級に位置し輝き続けるうちかけ。一目ぼれする花嫁が多く、一生に一度の晴れ姿にと、両家の両親も納得の一着に。
【白】
白地に華やかな文様が美しく際立つ上品な色。もともとは「真っ白なまま嫁ぐ」という意味がある。小物の色づかいで個性を生かした着こなしが叶う。
【桜】【梅】【藤】【松】【紅葉】など四季折々の自然美の文様が、清楚な花嫁の美しさを引き立てる一着。主張しすぎない色や柄の衣裳でありながら、袖を通した瞬間に、「私に合うのはこれ!」と、不思議なオーラに包まれる花嫁も多い。
「より細く」「より若々しく」「より着心地よく」をコンセプトに花嫁を美しく見せるドレスを創りつづけるクチュールメゾン ヒサコタカヤマが選んだ、和の花嫁衣裳。
花嫁の希望、送り出す花嫁の両親の想いや、嫁ぎ先の両親の願いを、運命の一着に込めて纏って頂きたいと、こだわりのある打掛を多数取り揃えている。