引き振袖のスタイリング
帯の結び方9選
未婚女性が着る礼装のなかで最も格式が高いのが、第一礼装を呼ばれる引き振袖。引き振袖を花嫁衣裳に選ぶ際、着物と帯の組み合わせや、小物にこだわる花嫁は多いけど、結び方のバリエーションを知っていると、ワンランク上の和装の着こなしを楽しめます。こちらの記事では、数多くの花嫁衣裳の着付けや、メディアなどでも活躍する着付け師・杉山幸恵さんの解説で、帯の結び方をご紹介。色々な帯結びを参考にしてみて。
羽立矢
斜めに蝶結びしたような「立て矢結び」と呼ばれる結び方をアレンジし、羽を描いたような立体感のあるイメージに。「裏箱ヒダ」というヒダの作り方で、バランスを重視したシンプルな帯結びに。
花波結び
オリジナルの変わり結び。流れる波の上に花びらが水に浮かんでいるイメージで結ばれた帯。
手毬花
どんな着物にも合う帯結びの基本といわれる「お太鼓結び」の変わり結び。可愛らしくいくつもの毬を重ねているように丸いシルエット優しい印象。
松かさね
昔から日本人は「松」への思いが強く、身にまとうことで生命力を保つという意味もあるといいます。そんな「松」を帯で表現。
飛蝶流し
一本の花木に蝶々がとまり 今にも飛び立ちそうなイメージを表現した帯結びと小物を合わせたオリジナルの結び方。
蝶立矢
「立て矢結び」の変わり結びで、揚羽蝶のように大きく豪華な印象に。
貴薔薇
気品ある薔薇の花を帯で作り、スタイリッシュに。着物や帯の重厚感のある色味にもマッチした結び方。
寿熨斗目
古典柄の熨斗目(のしめ)模様の柄をイメージし、お祝いの場に相応しい結びに。「熨斗目(のしめ)」とは着物の柄の付け方の名称。「束ね熨斗(のし)」という、人との絆、繋がりを表し、長寿の象徴としておめでたい文様の意味も含んだオリジナルの帯結び。
八重梅輪
高貴な梅の花びらを大きく表現し、可愛らしさと大胆さを合わたオリジナルの結び方。梅の柄が優しく描かれているきものに、華やかな帯の存在感が美しくマッチ。
「結ぶ」帯にも願いを込めて
帯の結び方は、着物の色や柄、帯の質感などによって、結び方はさまざまに。出来るできないもあるので、どうしてもやってみたい結び方があるなら、事前に担当者さんに相談してみるとよいでしょう。
当日担当してくれる着付け師さんに、どんな結び方にするのか、どんな意味がある結び方なのか、興味を持って聞いてみよう。
「人と人とのご縁、夫婦の絆、そして着物の帯も結ばれて素敵なかたちになります。花嫁様の着物を着付ける際にはたくさんの紐や帯を結びます。着付けを担当させていただくとき、一つひとつの結び目に幸せの願いを込めて、仕上げるようにしています。花嫁衣裳には、見た人を幸せにするパワーがあります。より美しく、より幸せな花嫁姿に。そんな想いを込めて着付けをします。」
今回、モデルの着付け、帯結びの解説をしてくれたのは、確かな技術に基づくモダンで心地よい着付けに定評があり、雑誌・CM・広告・イベントにおいて和装に特化したスタイリングから着付けまでをプロデュースするアントワープブライダル代表の杉山幸恵さんが、「日本の結婚式」読者に語ってくれました。