神前式はふたりが神様に結婚することを報告し、参列した親族にふたりが固く結ばれ苦楽をともにし人生を歩んでいくことを誓う儀式。ふたりが三々九度を行った後、親族盃を両家が交すしふたりと両家も結びつき協力して新しい家族を築いていくことを神様に報告し、確認しあう。
日常とは違う厳かな雰囲気のなか、行われる儀式にふたりはもちろん、家族の背中も伸び、改めて結婚の意味と家族の絆を感じることになるだろう。

神前式というと格式が高く、値段も高いのでは…と思っている人もいるかもしれない。しかし、神社での挙式はあくまでも「儀式」。七五三や厄払いと同様に、神社が定めた「初穂料」とよばれるものをおさめることになる。金額は神社の格や規模によって様々だがリーズナブルなところでは3万円～実施している神社もある。ただしこの金額には和装や着付けなどは含まれていないので提携している会場などにお願いすることになる。

和婚と聞いてイメージするもののひとつに白無垢や色打掛などの和装があるだろう。ドレスだけでなく和装も着たいな、という気軽な気持ちでチョイスしてみたら、思いがけずおばあちゃんやお母さんなどが熱く衣裳選びを手伝ってくれて、高価なきものをレンタルできることになった…という話も多い。さかのぼれば生まれて一か月のお宮参りで真っ白なドレスの上にきものをはおり、お正月には晴れ着をきて、七五三にきものすがたで神社に参り、成人式には振袖、卒業式には袴、という人もいるだろう。おばあちゃんやお母さんの大切な思い出のなかに、きものはしっかりと存在しているて思い入れのある家族も多いはず。衣裳選びを親孝行のひとつと考えて家族一緒に行ってみてはどうだろう。

結婚式が行われている神社は地元の氏神様として崇敬され、お祭りなどを行い土地の人々に親しまれていることが多い。そんな神社はこれからも大切に守られ、なくなることがない場所。お正月や七五三など節目節目に訪れれば、結婚式の佳き一日を思い出し、家族の新しい思い出も重ねていける大切な場所になる。

チャペルで行う結婚式に比べると神社やホテル式場などの神殿での挙式は少数派。そのため、ほかの人とはちょっと違う、独自性の高い結婚式をしたい！と思う人はもちろん、友達と同じ場所で挙式したくないなあと感じているふたりにもぴったりだ。列席してくれる友達のなかには初体験となる人もいるはずで、きっと心に深く残ることになるだろう。