「やってよかった」と思える
結納のある結婚式
結婚が決まったら、結婚式の前に行いたいのが「結納」(ゆいのう)。
1000年以上も続く伝統的なこの儀式は、これから親族になる両家がお互いを知り、敬意を払い、心を通わせる、家族にとって意味のあるもの。
実際に行った家族からの声も紹介。結納をすることの意義について考えてみよう。
家同士が理解し合うために当日だけでなく過程も大切
結婚も結納も同じなのは、行うのがふたりではなく両家だということ。特に結納は、両家が初めて顔を合わせる場となるケースも多く、結納を行うかは実は重要なことなのである。特に娘を送り出す新婦側の家族は、新しい家族の中で娘が幸せに暮らせるのかという不安がある。解消するには、新郎側の家族の人柄を知ってもらいたい。
結納は、地方によってしきたりが違う。揃える結納品も納める結納金の額も違うため、準備をする段階で両家が連絡を取り合うことになる。その過程で両家は互いに理解を深められ、新郎家の感謝や誠意も伝わっていく。結婚後の両家の関係を良好に保つためにも、最初の一歩となる結納で心の交流を深めておくことは重要なのだ。結納はふたりのためだけではなく家族のために意義のある儀式であることは覚えておこう。
優先したいのは親の意向
行ってよかったと思える時間に
日程や場所なども親の意向を伺うようにしよう。例えば、結納を行う場所は、かつて新婦の家で行うことが一般的だったが、最近は準備の大変さなどを考えてホテルや料亭などで行うケースも多い。しきたりも大切だが両家の負担が軽くなるよう考えたい。
そもそも、結納には新郎側が新婦の両親に向けて「(新婦を)生み育ててくれてありがとう」と感謝を伝える目的がある。結納品は、感謝の気持ちを表現したものなのだ。和婚を考えるふたりなら、伝統を大切にしたいという思いがあることだろう。しかし、しきたりをなぞるだけではなく、心を伝えるという結納本来の意義を忘れず、自分の家族の気持ちが相手の家族へ伝わるように予定を組み立てていこう。
また、結納は、ふたりにとってもけじめの場になる。特に、新郎にとっては新婦の人生を受け入れる責任と実感もわくだろう。両家が向き合う結納は、家族にとっては心を通わせることになり、ふたりにとっては夫婦になる覚悟ができる。誰もが行ってよかったと思える時間になるはずだ。