結納の意味や流れを知る
結納とは、日本の伝統的な婚約の儀式
結納とは、婚約の確認はもちろん、結婚によって両家に新しい結びつきができることを祝う意味もあるとても大切な儀式。
4~5世紀ごろに仁徳天皇の皇太子が結婚をする際に、花嫁側に「ゆひのもの(結の物)」といって贈り物をしたことが始まりと言われている。
なぜ結納を行う・・・?
・女性側の両親に、「娘を大事に思ってくれている」と安心してもらえる
・結婚の準備やその後の両家の付き合いがスムーズになる
「結納」という儀式を行うことで、両家子供たちの婚約を祝い、そして、新郎側は、大切に育てられた娘さんを「受け入れる」、新婦側は、どうぞよろしくお願いしますと「送り出す」、という結婚に向けての実感も湧き、親同士の心も結ばれる。「堅苦しい」「難しい」などと、ふたりの判断でやるやらないを決めず、必ず、両家両親の意向を確認しよう。儀式には、深い意味がある。両家の絆を深めるためにも、儀式と向き合うことはとても大切なことである。
結納の流れ
仲人が両家を行き来して結納品を取り交わす「正式結納」と、女性宅やホテル、料亭などで一堂に会して行われる「略式結納」がある。
こちらの記事では、ホテルや結婚式場で仲人を立てない略式の場合の進め方(関東式)の流れを紹介する。
~略式結納の流れ~
1.結納品を並べる
和室なら床の間に、洋室ならテーブルの上に結納品を並べる。
2.挨拶・着席
初めにふたりが挨拶し、続いて両家両親が挨拶をして一同着席する。
3.初めの挨拶
男性側の父親が進行役を担当。自己紹介の後に結納の儀を行うことを伝え、一堂深く礼をする。
4.男性側の結納品を女性側に納める
男性側の母親が結納品を台ごと持ち、女性本人の前まで運ぶ。席に戻った後、男性の父親が口上を述べる。
5.女性側が目録に目を通す
女性、父親、母親の順で目録に目を通し、元の位置に納めて礼を述べる。
6.女性側が受書を渡す
女性が受書を持って男性本人の前に運ぶ。
7.女性側が結納品を男性側に納める
女性の母親が結納品を台ごと持ち、男性本人の前に置く。戻った後、女性の父親が口上を述べる。
8.男性側が目録に目を通す
男性、父親、母親の順で目録に目を通し、元の位置に納めて礼を述べる。
9.男性側が受書を渡す
男性が受書を持って女性本人の前に運ぶ。
10.結びの挨拶
男性側の父親が挨拶をして、次いで女性の父親が返礼の向上を述べる。一同深く礼をして、式は終了。
結納品について
結納品は、結納の際に両家で取り交わす品物。それぞれの品に末永い幸せを願う意味が込められている。結納品の内容や地域によっても異なり、関東式では下記の9品目が正式とされているが、略式結納の場合、結納品の数を減らすこともある。
①長熨斗(ながのし)
のしあわび。不老長寿の象徴。
②目録
結納品の品名と数を書いたもの。
③金封(きんぷう)
結納金を御帯料(おんおびりょう)、結納返しを御袴料(おんはかまりょう)と記して包む。
④勝男節(かつおぶし)
かつお節。男性の力強さの象徴。
⑤寿留女(するめ)
良き嫁の象徴。
⑥子生婦(こんぶ)
昆布。よろこぶに通じ、子孫繁栄を願う。
⑦末廣(すえひろ)
白無地の扇子。白無垢を意味し、末広がりの繁栄を願う。
⑧友志良賀(ともしらが)
麻糸。夫婦が白髪になるまで仲睦まじく。
⑨家内喜多留(やなぎだる)
樽酒。家の中に喜び事が多く集まるように願う。
大切なのは「こころ」
自宅で行う場合やお店の個室を借りて行う場合は、結納品を販売している百貨店や結納専門店に問合せてみるのがよいだろう。また、ホテルや専門式場、料亭などでは、スタッフによる進行サポートや結納品の準備が付いた結納プランを用意しているところもあるので、そういったところに問合せてみるのもよい。
「婚約を祝う」「両家の心の結びつき」を大切にする気持ちがあれば、結納品の準備や結納の流れはそれぞれやりやすいかたちで進めるのがよいだろう。
一生に一度の結婚の儀式。丁寧に、ひとつひとつの儀式に向き合って欲しい。