お役立ち知識

神前式にお呼ばれしたときの
ゲストの服装・マナー

2019.07.30

神道の作法に則って、神社で執り行われる神前式。昨今チャペルでの挙式が一般的な中、「和」を感じられる挙式スタイルとして人気を集めている。著名人の間でも、神前式で結婚式を挙げる人は多い。

神前式と言えば、以前は両家の親族だけ出席するというのが基本だったが、最近は友人などのゲストが招かれることも当たり前に。今回は、神前式にお呼ばれしたときのゲストの服装やマナーについて紹介する。

神前式にお呼ばれしたときのゲストの服装

神前式にお呼ばれしたときのゲストの服装

神前式の服装でまず気になるのが、洋装でも問題ないかどうかという点。結論から言えば、ゲストの場合、洋装でも問題はない。では、男性・女性・子どもにおけるそれぞれの服装について詳しく見ていきたいと思う。

男性

ゲストの男性は、洋装で出席するのが一般的。黒のスーツにモノトーンのネクタイというのが基本スタイルだ。ネクタイはホワイトやグレーなど目立たない色を選ぶ。白地にグレー、シルバー、黒などのストライプ柄でも構わない。

女性

女性の場合は、洋装・和装どちらでもOK。和装にするのであれば、未婚なら振り袖、既婚なら訪問着が一般的だが、厳密にこだわる必要はない。迷ったら訪問着にしておけば間違いはないだろう。いずれにせよ、派手な色や柄は避けるようにしよう。

洋装にするなら、フォーマル感のあるワンピースやドレスを選ぶのがおすすめ。カジュアルな装いや露出度の高い服装は避けるのが鉄則だ。

子ども

子どもを連れていく場合、学校の制服があるならそれを着させるのが最も無難。制服がなければ、男の子はブレザー、女の子はワンピースなど、フォーマルな服を用意しよう。子どもと言えども、カジュアル感が出てしまうのは避けたい。

親族はどんな服装をしたらいい?

親族はどんな服装をしたらいい?

友人としてではなく親族として出席する場合の服装も、基本的には上記のガイドラインに沿っていれば問題はない。ただ一点、新郎新婦の両親より控えめな服装にすることは必ず意識しておこう。ちなみに両親の服装としては、和装なら紋付羽織袴や黒留袖、洋装ならモーニングコードやアフタヌーンドレスが一般的だ。そのため、これらの服装よりもワンランク下の準礼装の服(訪問着など)を選ぶとよいだろう。

また親族として出席するのであれば、ほかの親族一同と、洋装にするのか和装にするのか事前に確認し合っておくことをおすすめする。

神前式に出席するときに気を付けたいマナー

神前式に出席するときに気を付けたいマナー

神社という神聖な場で行われる神前式には、守るべきマナーがいくつか存在する。特に気を付けておくべきマナーを以下にまとめた。

女性はストッキング必須

神社によっては、式中に靴を脱ぐ場面もある。神殿内は素足厳禁となっているので、女性であればストッキングの着用が必須だ。

肌の露出は控えめに

また、女性は肌の露出を控えめにすることも大切だ。特に肩と脚の露出には気を付けよう。式場によっては正座する機会もあるので、ミニスカートは避けるべき。また基本的に肩は出さないような服を選びたい。もし季節が夏でノースリーブのワンピースなどを着用するのであれば、肩掛けになるストールを忘れずに。

写真撮影は事前に要確認

神前式では、カメラマン以外の写真撮影が禁止されているケースも多い。そもそも普段から神殿内は撮影禁止という神社も珍しくないので、写真を撮りたいなら、撮影しても良いかどうか事前に確認しておこう。許可なく写真撮影するのは、思わぬトラブルの元にもなってしまいかねない。

革製品・ファーはNG

ついつい見落としてしまいがちだが、神前式では革製品やファーは避けるのが原則。神道では、これらのアイテムは「殺生」を連想させてしまうからだ。神前式に招かれたら、持っていく小物などに革製品がないか、前もってチェックしておきたい。

神前式の進行で知っておきたいこと

神前式の進行で知っておきたいこと

神前式は、神道の流儀に沿った段取りで儀式が進行する。案内の係の人が誘導してくれるのでそれほど心配する必要はないが、中には事前に作法を知っておいたほうがいい儀式も。その代表例とも言える「手水の儀」と「玉串奉奠」について解説する。

手水の儀(ちょうずのぎ)

手水の儀は、出席者が神殿に並んで入る前に、水で身体を清める儀式だ。最初に右手で柄杓を持ち、水を汲む。水を垂らして左手を洗ったら、今度は柄杓を左手に持ち替える。続いて右手も同様に水で洗おう。ここで柄杓の水を使い切ってしまわないように注意すること。

右手を清めたら、再び右手に柄杓を持ち替える。残っている水を左の手のひらに注いで、口を清めよう。最後に置いてある和紙(懐紙と呼ばれる)で手と口元の水をさっと拭き取れば、手水の儀は完了だ。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

玉串奉奠は、新郎新婦が「玉串」を供える儀式。このとき新郎新婦が二礼二拍手一礼するのだが、出席者も起立して同時に二礼二拍手一礼する。二礼二拍手一礼というのは、その名の通り「2回お辞儀、2回拍手、1回お辞儀」をすること。最初のお辞儀では、1回目より2回目のお辞儀を深くするのが正しい作法とされている。

ゲストは最低限のドレスコードとマナーを

ここまで見てきたように、神前式には様々な決まりごと、儀式、しきたりなどがある。ただ常識を持って、今回取り上げてきた最低限のドレスコードやマナーを守ってさえいれば、それほど神経質になる必要はないだろう。神前式だからと言って気負いすぎずに、新郎新婦の新たな門出を心から祝福してあげたい。

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