今、外国人の間でも
和婚がブームな理由とは?
新郎新婦とも美しい和装に身を包んで、厳かな雰囲気の中、神社で堅く愛を誓う――。そんな和婚が、最近外国人の間で静かなブームになりつつあります。神社で神前式のウエディングを執り行うためだけに来日するカップルも、今や珍しくありません。外国人にも広がりつつある和婚ブームの背景に迫ります。
外国人の間で和婚が人気になってきているワケ
ご存知の通り、日本を訪れる外国人観光客の数は年々急速なペースで増加しています。日本への旅行が一般的になるにつれ、ユニークな日本文化に興味を持つ外国人が多くなってきました。特に人気が高いのは、京都の神社仏閣などに代表される日本ならではの伝統文化。そうした中、由緒ある「和」を体感しながら式を挙げられる和婚のことが徐々に知られるようになり、「日本で和婚ウエディングとハネムーン」という訪日旅行の新しいカタチが注目を浴びるようになったのです。
日本で和婚の結婚式を挙げるカップルの国籍は、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、香港、台湾など実に様々。特に欧米出身のカップルに人気だといいます。中には、出身の母国ですでに結婚式を挙げたにも関わらず、もう一度日本で和婚ウエディングをして愛を確かめ合う……なんてケースもあるのだとか。和婚を挙げる場所としてはやはり京都が一番人気で、次いで東京がメジャーだそうです。そのほかオーストラリア、ニュージーランドなど南半球の国の人たちからは、母国でのサマーシーズンに雪景色を満喫できる北海道や長野などでの和婚も根強い人気があります。
和婚の魅力をアピールする取り組みも
外国人の間で高まる和婚人気を受けて、神前式などの和婚をインバウンド需要のコンテンツとして取り込もうという動きも出始めています。たとえば一部の旅行エージェントでは、外国人カップル向けに、和婚体験をセットにしたパッケージプランを発売。式場の予約手続きなどは旅行会社にお任せできて、手軽に和婚ウエディングを行えることから、好評を博しています。また、京都観光と併せて和婚のフォトウエディングをできる安価なパッケージプランも登場するなど、和婚を日本観光の目玉としてプッシュする試みは着実に広がっているようです。
さらに観光業界のみならずブライダル業界でも、外国人に和婚の魅力をもっと知ってもらおうという取り組みが活発化してきました。日本文化に興味を持っている外国人から絶大な人気があるヨーロッパでは、神前式でよく着られる色打掛、白無垢などといった婚礼衣装が展示されるイベントも行われ、若い世代や婚約を控えたカップルなどから注目を集めるなどもされています。こうした取り組みの影響もあり、ちょうど日本人がハワイやヨーロッパなどで結婚式を挙げるのと同じような感覚で、日本に旅行して和婚を行う外国人が少しずつ増えてきているのだといいます。
外国人の和婚、どのように行われる?
日本人カップルでも外国人カップルでも基本的な和婚の儀式に違いはありませんが、外国人のニーズに配慮した様々な工夫も積極的に行われています。代表的なのが、儀式の進行をすべて英語にするというもの。やはり一つひとつの儀式の意味合いが分かると、その都度神聖な心持ちを新たにすることができるので、英語での式進行はとても人気があります。また外国人に対応するための専門部署を立ち上げて、式のプランニングから衣装の選定、写真撮影にいたるまで英語できめ細やかなサービスを提供するような神社、ブライダル会社も出てきました。異国の地でのウエディングには言語や文化の違いといった壁もありますし、結婚を目前にしたカップルにとってはあれこれと不安が募ってしまいがち。そのため、こうした英語での充実したサービスは急速に外国人カップルの支持を獲得しつつあるようです。
外国人にも広がる和婚のトレンド
日本ならではの歴史ある伝統と、由緒ある和の雰囲気を感じながら厳かに式を挙げられる和婚は、すでに国内で大きなトレンドとなっています。この和婚人気が国境を越え外国人の間にも拡大しつつあるというのは、和婚の奥深い魅力を示すひとつの証しかもしれませんね。今やワールドワイドなムーブメントになりつつある和婚、皆さんもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。