神前式における席次について
家族や親族など、ごく親しい人が参列して行う神前結婚式では、キリスト教式とは規則が異なっている点もあります。
参列者が座る位置を定める席次もその1つ。神前式での席次は新郎新婦と血縁が近い順に座ることが基本とされています。神前式の席次のルールや、よくある疑問への回答をご紹介します。
神前式での席次の基本的なルール
キリスト教式では新郎新婦の両親が最前列に座り、その後に兄弟、親族、友人と大まかに分けられてはいますが、座る位置までは細かく定められていません。
神前式では祭壇に向かって両家の参列者がそれぞれ1列に並ぶ形式が多く、順番が定められています。会場や地域によって順番や席の配置が異なる場合もありますが、一例をご紹介します。
結婚式を執り行う拝殿内には、神様を祀る神棚と、神様への御供物である玉串を置く玉串案が配置されています。それを神前として、向かって右側に新郎側の参列者、左に新婦側の参列者が座ります。
新郎新婦と血縁が近い順に並ぶことが基本とされており、前から新郎新婦の両親、兄弟姉妹、祖父母、その他の親族…という順番になります。
拝殿に入場する際にもこの順番で入場し、前から順に席に着きます。
よくある疑問
神前式での席次について、よく挙がる疑問点について解説します。参考にしてみてください。
結婚した兄弟の家族はどこに座るの?
兄弟や姉妹がすでに結婚していて配偶者や子供がいる場合、家族で一緒に着席してもらいます。兄弟の場合は続いて配偶者と子供の順、姉妹の場合は配偶者に続いて姉妹と子供の順となります。
赤ちゃんや小さな子供の席はどうすればいい?
小さな子供の場合、1人で座っていられる場合は席を準備しますが、抱っこの場合席は不要です。迷ったときは親御さんにどちらがいいか確認しましょう。また式の最中にぐずったりオムツ替えが必要になったりする場合もありますので、血縁の近さに関係なく出入り口近くの席にしておくなどの配慮も必要です。
神前式に参加したことがない参列者の中には「厳粛な式の最中に退出するのは失礼ではないか」と考える人もいます。小さな子供がいる参列者には、子供がぐずったら退出しても大丈夫なこと、式が終わるまで待機できる場所があることなど、事前に伝えておくと安心して式に参列してもらうことができます。
両家の親族の人数に差があっても大丈夫?
親戚が遠方で招待できない、親戚付き合いが全くないなどの理由で、新郎新婦で参列者の数に差があるケースも見られます。
人数差があること自体に全く問題はありませんが、参列者の中には気にする人もいるかもしれません。心配な場合は両親に相談したり、両家で参列者の人数差があることをあらかじめ参列者に伝えたりしておきましょう。
友人にも参列してもらう場合の注意は?
これまで神前式の参列者は親族のみである場合がほとんどでしたが、最近では友人の参列OKの会場も増えています。友人が式に参列する場合、席次は親族の次になります。
会場によっては家族・親族から少し離れた席や、拝殿の外から見学する形式になる場合もあります。当日いきなりそうした席に案内されると、少しガッカリする人もいるかもしれません。友人席が親族席とは違う席になる場合は、事前に「親族席からちょっと離れた席になっちゃうんだけど…」と断っておけば、挙式当日も気持ちよく参列してもらえそうですね。
参列者が順番を間違えないか心配…
拝殿に入場する際に、斎主や巫女、会場スタッフが参列者を誘導してくれるので、心配ありません。
席次に基本的なルールはありますが、絶対に守らなくてはいけないという厳密なものではありません。たとえば妊娠中や赤ちゃん連れ、体が不自由で付き添いが必要など、参列者によって事情は様々です。その場合は多少順番が前後しても、参列者本人が過ごしやすいよう席次を調整しましょう。
神前式の席次についてご紹介しましたが、重要なのは参列者の誰もが気持ちよく挙式に参加でき、新郎新婦を心から祝福できることです。席次の1つにも、参列者への配慮が伝わるもの。新郎新婦で話し合い、参列者に失礼のないよう準備しましょう。
気になることがあれば、両親や会場の担当者に相談したり、参列者本人に希望を確認したりしましょう。周囲の人とまめにコミュニケーションを取って、晴れやかな気持ちで挙式当日を迎えられるといいですね。