家の絆を結ぶ思いやりの婚約の式儀式① 結納
大切なものを贈り真心を伝える儀式
結納は1400年前頃から始まったとされる公家や武家の婚礼文化で、明治時代から一般庶民も行うようになりました。本来の結納品は嫁入り衣裳の生地や帯、花嫁門出の宴席の酒や肴などの産物だったそう。時代や地域によって納める品や形が変わっても、ご縁が結ばれた喜びの気持ちを贈る意味は変わりません。かつては仲人が間に立ち、新婦宅で執り行っていましたが、現在はホテルや料亭などの個室に両家が集まり、結納式と会食をするケースが多いです。結納は「相手を思いやる心」が大切で、特に新婦の親に、新婦を生み育ててくれた感謝を伝え、大切に迎える気持ちを表す意味があります。結納で正式な婚約が整い、親同士の距離もグッと近くなるので、結婚式や新生活の準備が円滑に進みやすくなるのが特徴。
式次第
1. 会場到着・飾り付け
男性側が結納品をセッティングし、整ったら女性側も部屋に入り席に着く。
2. 結納式
男性が開式の挨拶をした後、「婚約のしるしとして結納品を持参しました。幾久しくお納めください」と口上を述べる。次に女性が「幾久しくお受けいたします」と返答。結納返しがある場合は、逆の口上を述べて取り交わす。最後に男性側の父が「これにより、ふたりの婚約が成立しました。これからもよろしくお願い申し上げます」と挨拶する。
3. 婚約記念品の贈呈
男性から女性へ、婚約指輪など婚約記念品を贈呈。時計など女性から男性へ贈呈。ふたりから親へ感謝の挨拶。
4.記念撮影
結納飾りと一緒にふたり、家族、両家で撮影をする。
5. 祝宴
結納品は会食後に箱にしまい包んで持ち帰る。
地域ごとに異なる「結納品」
結納品は関東式と関西式で飾り方が大きく違うので、結納店や会場スタッフに相談するようにしましょう。
関東式
関東式は華美を排した武家文化らしい洗練された飾り。目録を入れた9品目をひとつの台に飾り、7品・5品の略式も。
関西式
公家文化らしい華やかで豪華さを感じる関西式の結納品。雅やかな結納飾りが特徴で、品ごとに台に載せて並べます。