和食でおもてなし
〜味と心で感謝を伝える〜
日本の伝統を五感で楽しむことができる和食は、選択肢から外せない。その趣向や味わい、こだわりは会場によって違う。そこで、各会場のもてなしの心を感じる名品を紹介。
玄冶店 濱田家
日本料理の要「椀」を 気候に合わせ味を調整
創業100 年を迎えた日本を代表する老舗料亭のひとつ。2008 年にミシュランガイド東京版で料亭として初の三ツ星を獲得したことでも知られる。長い年月をかけて研ぎ澄まされてきた料理は、出すぎず下がりすぎない心配りと四季折々の旬の食材を用いて季節を感じさせる総合力の高い品々が連なる。
また、季節感とは、ただ視覚的に四季を表現するだけではない。例えば、日本料理で重要とされる「椀」の味付けでは、夏の暑さが続くときは塩気を少し強くするなどゲストのことを考えながら味を整えてくれる。
つきじ治作
全国から食材を集め作る伝統の味 名物の水たきで本物の味を届ける
日本全国の天地山海の恵みに心を込めた江戸前料理を提供するつきじ治作。婚礼料理は、毎月内容が変わり、旬を大切にした品々が用意されるが、希望すればふるまうことができるのが、名物の「水たき」。創業から80 余年、徳島産の地鶏を使用し専門の職人が門外不出の技で作る逸品だ。時代を作ってきた政財界の著名人や数多くのセレブにもファンが多い味わいは、特別な日にふさわしいメニュー。結婚式後もゲストの間で語り継がれる食体験になるだろう。
ロイヤルガーデンパレス 柏 日本閣
日本料理の重鎮が生み出す 四季で内容が変わる食の宝箱
日本食の世界で知らない人はいない、和の重鎮・濱田貞夫が総料理長を務める。心のこもった料理こそ心に残るという思いで手掛ける婚礼料理は、可能な限り料理長自ら生産者や市場へと足を運び、厳選した旬の食材をふんだんに使用している。
中でも2 段の箱に鮮やかな祝肴の数々で彩られた「万葉箱」は、引き出しを開けた瞬間にゲストから感嘆の声があがる人気メニュー。ワクワク感と匠の技が存分に生きた、ここでしか楽しめない内容になっている。
有栖川清水
一皿に手間ひまをかけ生まれる 長年継承されてきた本物の味
南麻布にある隠れ家的料亭。提供される料理は修業を重ねた料理人が、惜しみなく手間ひまをかけて作られる品々。婚礼料理は、鯛などの縁起の良い食材にからすみの粉やウニなど豪華食材を盛り付けるなど、華やかに仕上げられている。なかでも、蟹百合根饅頭と生麩、茄子、南京、絹さやの煮物は、ふかひれあんを艶やかにまとった逸品。代々の料理長に継承されてきた伝統の味付けを存分に堪能できる。滋味あふれる味の感動をゲストとともに共有しよう。
東京 芝 とうふ屋うかい
こだわりの食材で華やかに 多幸感あふれる特別お祝い膳
静かな日本庭園の中に数寄屋造りの建物が佇み、ゆったりとした時間が流れる全国的に有名な名店。婚礼料理は、通常提供していない特別料理を料理長自らプロデュースした繊細で華やかな会席お祝い膳。肉料理などもあり、こだわりぬいた食材を貴重な器に盛りつけ、ふたりの晴れの日を盛り上げる。質も量も満足のいく内容になっており、幅広い世代に喜んでもらえるおもてなしになるだろう。
隠れ里 車屋
旬の食材を繊細に盛り付け 伝統を生かした日本料理
湘南・鎌倉エリアの日本料理の名店。器や盛り付けにもこだわりお祝いの席にふさわしい彩りが魅力の婚礼料理は、ふたりがどんな気持ちで料理を選んだのかが十分伝わる内容。特に、新鮮な魚介類を使ったお造りは、試食会でも人気のメニュー。見た目も華やかでゲストの気分を盛り上げる。
また、料理をいっそうおいしく感じさせるのが、窓の外に広がる日本庭園。自然がつくり出す絵画のような景色に特別感が増し、ゲストのお腹も心も満たすことができるだろう。
初出:日本の結婚式 No.23