新しいカタチの結婚式
「幸せを重ね、心を結ぶ」
お祝い重
とある料理旅館での花嫁のおはなし
人生の節目はすっきりと挙式のみ、そう決めていた。
親しい人たちに見守られながら契りを結ぶ、しあわせなひととき。
時を重ねたアンティークの振袖のように、
この先もふたりでゆっくりと歩いていこうと改めて心に刻む。
ちょっとあっさりしているけど、これが私たちには合っているみたい。
でも、みんなへの気持ちを「ありがとう」の言葉以外でも伝えたくて
特別な何かをプラスできたら、とも考えていた。
だから、このしあわせな気持ちと感謝を祝い重に込めて、手渡すことにした。
それぞれの場所で食事をしながら、これまでを思い返してくれたら嬉しい。
私もそうしようと思う。
お料理おいしかったね、で始まる手紙が届いたのは
挙式から少し経った火曜日のこと。
従姉妹からの手紙なんて初めてかもしれない。
そこには披露宴のスピーチみたいなとっておきの話はなくて
私と彼女だけが知る、取るに足らない、けれど忘れられない
小さな想い出がいくつか、時系列を無視して気ままに綴られていた。
きっとお重の料理もこの手紙みたいに好きな順番で自由に
食べたのだろうなと想像したら、あまりにも彼女にぴったりで
ふふっと声が漏れた。
きっとこれはあたらしい対話のカタチ。
宴の興奮とは違う、静かな余興。
確かなのは「幸せを重ね、心を結ぶ」という、変わらぬ祈り。
それぞれの場所で、それぞれの時間で。
これからも私は大切な人たちと過ごしていきたい。
婚礼祝い重“むすびとかさね”
大阪の箕面市にある料理旅館「音羽山荘」。両家の絆を深める滞在型の和婚を提案。組数限定で旅館を貸し切りに結婚式ができると全国各地から問合せが入る。そんな音羽山荘が、新たな結婚式のスタイルとして発表した婚礼の祝い重「むすびとかさね」。
挙式のみ参列してもらったゲストに、感謝の気持ちを込めて贈る祝い重としてお渡しする祝い重。
帰宅後、お重を広げ、ふたりのことを思い出しなら食すそんなひとときが特別な時間になればと、商品化したのだそう。
1名¥19,800(注文は6~20名)
ハレの日の食卓にふさわしい、縁起の良い品を彩り豊かに、音羽山荘の料理の粋と、寿司の雅が詰め込まれた三段重ねのお重。特製の風呂敷に包んで1つ1つ丁寧にお渡し。