新たな家族を育む決意を胸に
博多伝統の花嫁挨拶
「御熨斗だしの儀」
国際結婚カップルが選んだ「純・博多婚」に海外ゲストも感動
長い裾を足でさばきながら、黒い台に載せた御熨斗を新婦は高砂にいる新郎に差し出します。
これまで大事に育んでくれた両親への感謝とこれから新たな家族となる重みを胸に、ていねいにお辞儀する博多伝統の花嫁挨拶「御熨斗だしの儀」。
その渦中、娘の晴れ姿を見ながら結実さんのお父さんは目頭をおさえました。
インターンシップとして北九州市内の大学で学んだフランス人のランシューさんは、大の日本好き。
結婚を決めた際、家族や親族にも日本文化を知ってもらいたいと、住吉神社での神前式と老舗料亭・三光園での披露宴を決めました。
会場へと向かう移動手段は人力車。
ケーキカットではなく鏡開き。
和婚スタイルにとことんこだわり、料理も由緒正しい和懐石を選びました。
当初、ゲスト同士の言葉の壁を心配していたふたりでしたが、それはとり越し苦労でしたと、当日を振り返ります。
片言の英語とジェスチャーで楽しそうに打ち解け合うゲストを見て、日本の伝統的な挙式にして本当によかったと思ったそう。
【和婚にしてよかった!こだわりポイント】
所作ひとつずつをていねいに、しっかりとご挨拶
福岡・博多地方で古くから伝わる伝統の「御熨斗だしの儀(おのしだしのぎ)」。
新婦が誕生し、両親の深い愛に育まれ、晴れの日を迎えるまでに培ってきたものを参列者に披露します。
もともとは女性側からの結婚承諾の儀として男性宅へ御熨斗を届けたという風習が由来。
この儀式が叶う舞台があるという理由で、三光園での披露宴を決めるカップルも少なくないそうです。
挙式:住吉神社
披露宴:三光園
取材協力・プロデュース:晴レの日
新郎. ランシュー・マキシムさん / 新婦. 結実さん