【伝統文化】神社のは・て・な!?
Q 鳥居の前でお辞儀をするのはなぜ?
A 人様の家におじゃまする、そのときの礼儀と同じこと
人を訪ねるとき、玄関や入口の前で「おじゃまいたします」と頭を下げるのは礼儀。神社でも同じこと。神社は神様のいらっしゃる聖域で、鳥居はその入口。入る前には一度立ち止まり、心を落ち着かせて丁寧にごあいさつを。また神社の参道では中央を歩かないのも礼儀。参道の中央は、神様の通り道とされているのだ。
Q 境内で注意すべきことはなに?
A 清らかな心持ちで 手水もしっかり行おう
前述したように、境内は聖域。にぎやかになる夏祭りのときなどは別として、基本は静かに、はしゃがない。服装もあまり露出の高いものは控えたいものだ。参拝する前には必ず手水舎で手と口をすすごう。日本の神様がもっとも大事にしていることは「清浄」。水を使ってすすぐことで、心の垢も流す気持ちで。
Q お賽銭の額に決まり事はある?
A 諸説よりも大事なのは、手を合わせる人の真心
「5円玉を使うとご縁がある」など、ちまたにはお賽銭の額についていろいろな説がある。お賽銭の基本は、それが祈願する人の「真心」であるということ。それを思えば、日々の感謝か特別なお願いなのか、その状況に応じてふさわしい額があるはずだ。そうしたことを自分で思い考えることが大事なのではないだろうか。
Q 参拝の作法、ポイントはどこ?
A 祈願するタイミングは、二拝二拍手一拝のココ!
神様に向かっての拝礼の作法は一般的に「二拝二拍手一拝」とされている。「拝」は腰をしっかりと曲げた深いお辞儀のこと。迷うのは、どのタイミングで祈願をするのか。「一拝」までをすませてからあらためて手を合わせて祈願する。それを終えたら、再びお辞儀をして、神様に背中を向けないようにしてご神前から離れよう。
Q おみくじの「凶」は木の枝に結ぶ?
A 神様からいただいたせっかくの御言葉、持ち帰ろう
「凶のおみくじは境内の木に結ぶと、凶から逃れられる」そんな言い伝えが始まったのは江戸時代のこと。本来、おみくじは神様の御言葉。吉でも凶でもそれを大事に持ち帰り、御言葉をかみしめることが重要だ。それに凶が出たからといってがっかりすることはない。凶は底で、あとは上る一方だから。
Q お守りはいくつも付けて大丈夫?
A 神様の力が宿るお守り、複数付けても効力はしっかり
「いろんな神社のいろんなお守り、一緒にカバンに付けると効力が弱まらないのか?」という疑問を聞く。日本の神様は万能ではない。それぞれに役割があり、力を合わせて人々を守ってくださる。だから、各神社の神様の力が宿ったお守りを一緒に持っていても大丈夫。ただしお守りの効力は1年間といわれる。
Q 効き目のある絵馬の書き方ってある?
A できるだけ具体的に、伏せたければこんな考え方も
神様と関わりの深い動物である馬を奉納する代わりに納めるのが絵馬。お願い事を書くときはできるだけ具体的に。本来は氏名・住所も書くといいとされる。個人情報を公にするのが心配な昨今。そこを記さない代わり、しっかりご神前にご報告してから絵馬を納めるというのも、ひとつの考え方だろう。
Q 神社では日ごろ、なにをしてるの?
A 外からは見えないけれど、神社ではお祭り事がいっぱい
一般の参拝者にはなかなかわからないが、神社では年間いくつもの祭祀が行われている。そうしたお祭り事に奉仕し、日々の神様のお世話をしているのが神職さん。巫女さんもその補佐をしている。年間に決められている祭祀以外にも、神前結婚式や七五三など、個人の祈願が行われている。
Q 神前結婚式の祝詞、神職さんはなにを語っているの?
A 新郎新婦の代弁として、今日のよき日のご報告を
「祝詞(のりと)」とは、神様に感謝や祈願をお伝えするための神聖な言葉。神様が慣れ親しんだ、古い日本の言葉が使われる。結婚式では新郎新婦の名前が伝えられ、結婚することのご報告、神様への感謝、そして末永く助け合うことの誓い、新しい家庭が幸多いことの祈願などが織り込まれている。
Q 祈願や結婚式でのお支払いの作法は?
A お店の支払いとは意味が違う。神様への奉納の作法
本来は「お支払い」ではなく「奉納」。神様に納めさせていただくものだ。だから、のし袋を用意して新札を入れるのが礼儀。表には「初穂料」または「玉串料」と書く。「初穂」も「玉串」も真心として神様に奉納するもの。これに代えて、金銭をお納めすることになる。