日本の結婚式26CoverStor
八芳園〜白金八景〜
江戸から東京へ。日本の首都で、世界有数の大都市に成長した街に変わらない四季の美しさと、繊細で優しいもてなしの心を感じられる場所がある。日本の歴史伝統と、時代の最先端が出合う八芳園で今どんなことが起き、何が変わろうとしているのか。見に行ってみよう。
モデル/入山法子
独特の柔らかな存在感と美肌で同世代の女性を中心に人気の高い女優・ファッションモデル。映画・TV・舞台・CMほか出演作多数。ドラマ「きみはペット」DVD&Blu-rayBOX1、2が発売中。http://www.incent.jp/incent/talent/iriyama/
白金八景ー1 日本庭園
東京都港区白金台に1万2000坪の広大な敷地をもつ名門式場、八芳園。江戸時代から受け継がれ、「四方八方どこを見ても美しい」ことから名前の由来にもなった庭園は、いつ訪れても日本の四季と自然の美しさが感じられ、時代を超えて永く愛される場所となっている。
白金八景ー2 空間デザイン
日本の美、日本の文化を世界へ。
2017年秋にリニューアルしたばかりの会場「エール」は、八芳園の顔ともいうべきメインバンケット。庭園とひとつづきになる会場が自然との調和を感じさせる和モダンのデザインに一新。ひときわ目を引くポイントになっているのは、月をモチーフにした金色のオブジェ。京都在住の金箔伝統工芸士によるアート作品だ。八芳園では、全国各地から結集した名産品や伝統工芸とのコラボレーションにより、限りなく日本的で、なおかつグローバルな魅力も感じさせる空間設計に取り組んでいる。
白金八景ー3 儀式への想い
「嫁ぐ」文化を受け継ぐ。
八芳園でしか体験できないオリジナルの人前式「和婚式」を紹介。挙式会場への入場は、「愛し道」を通って。まず新郎が両親の一歩先を歩き、成長した自分の背中、新たな人生へと歩み出す姿を見守ってもらうことから式が始まる。続いて、新婦が両親とともに入場。そして、新婦の母から娘の着物の胸元へ、花嫁道具の「筥迫(はこせこ)」と、その中に忍ばせた手紙が贈られる。新郎新婦は参列者一同が見守るなか、両親、親戚、友人、それぞれへ向けた誓いの言葉を贈り、温かな感動が会場全体を包みこむ。結婚式という場を通じて家族の絆を確かめ合い大切な人々と心の交流を深められることが、和婚式の最大の魅力。それは八芳園の他の挙式スタイルにも通じるところがある。
白金八景ー4 おもてなしの料理
同じ時、同じものを食べる幸せ。
2017年秋、リニューアル新会場「エール」「アルブル」に合わせて新しく発表された婚礼料理メニュー「SHIZEN-KAN」は、海老・牛乳・小麦粉など、7大アレルゲン食材を不使用。代わりにおいしくて安全な素材を徹底して選び、契約農家から取り寄せるオーガニック野菜などが盛り込まれている。
白金八景ー5 生産者とのつながり
丹波・たまねぎ農園との共創
八芳園の婚礼料理に寄せる想いから誕生した新メニュー「SHIZEN-KAN」、その特色がよく表れた一皿が「たまねぎのリゾット」。誕生の経緯には、食材と生産者との出会いが欠かせなかったという。素晴らしい食材の持ち味を最大限に引き出し、料理として味を整えるのが、料理人の腕の見せどころ。香山料理長は、最良の味を実現するために、たまねぎ一つひとつの糖度を測って選別。多種多様の手法で試作を重ね、ついに絶妙な味わいになるベストの方法を発見した。自然本来のおいしさと、大切なゲストに「健康でいつづけてほしい」というふたりの気持ちが伝わる自信の一皿に仕上がった。
白金八景ー6、7 生涯式場
ともに歩いていく。
結婚式当日だけでなく、末永くおつきあいのできる場所として選ばれることが多い八芳園。その「生涯式場」というコンセプトが生まれるきっかけとなったのは、ここを愛してやまない「ファン」ともいうべきお客様の存在だ。2組のご夫妻は、決して特別な存在ではない。ほかにも本当に多数のカップルが、たとえば「今度の結婚記念日は家族みんなで、八芳園に行ってお祝いディナーをしよう」と考え、その日を指折り数えて楽しみにしている。ここにまた帰って来たいという声の一つひとつが、八芳園にとって貴重な財産になっている。
白金八景ー8 ふたりのためのチーム
なつかしい、心のふるさとをつくる。
八芳園には江戸時代から受け継がれた美しい庭園があり、心地良い空間と、磨きのかかったおもてなしの料理がある。そして、ふたりと家族が帰ってくる日を楽しみに待ち続けるスタッフがいる。結婚式は、ふたりで歩く人生の始まり。大切な1日を、さまざまなセクションのスタッフが連携して見事なチームワークでつくりあげる。その後も、生涯にわたり寄り添い、ふたりと家族と「ともに歩いていく」ことを八芳園は目指している。
初出/日本の結婚式No26