「和」でもセンスフルな空間に!洗練の和モダンコーディネート
心和む上品な清らかさと、雅やかさを持つ和のテーブルコーディネート。
いきいきとした草花の魅力をいかし、花器やその空間に合わせたコーディネートは、よりモダンに進化している。
今回は、関東・関西・東海エリアのホテルや料亭和会場での美しいコーディネート実例をご紹介。
とことんこだわって洗練された和の祝宴を演出して。
(日本の結婚式 No.37 掲載)
【京都】天台宗青蓮院門跡 将軍塚青龍殿
“「灯」をテーマに花の影をいかして”
伝統的な寺院が持つ、落ち着いた雰囲気とナチュラル感がいかせるよう、テーマカラーはグリーンとアイボリーのみと極力シンプルに。高い天井には小花が咲くアセビの艶やかな緑を配し、光と影を効果的に使った演出も。
【素敵な和モダンコーディネートを完成させる3つのポイント】
01.質感の異なる花材の組み合わせ
和花・洋花、豪華・可憐など質の異なる花々に違和感が生まれ、印象に残るアレンジに。
02.やわらかで単調にならないデザイン
曲線的な動きの出せる花材や、繊細な花材を多く取り入れて瑞々しさのある雰囲気を。
03.クロスや小物は装花とのバランスを
装花で個性を出すなら、クロスやペーパーアイテムはシンプルな色やデザインを選んで。
■この人に聞きました
「和の会場は、壁や天井の木目など直線が用いられることが多いので、丸みのある形の花やアレンジメントなど、優しい雰囲気を作るようにしています」
バルフロール VALFLOR フラワーデザイナー 冨田 美雪さん
【東京】八芳園
モダンなシノワズリの花器に
気品をまとう伝統色の花々を
■この人に聞きました
「日本の伝統文化と西洋の文化を融合させることで、和モダンな空間へ。また瑠璃紺や山吹色など、日本ならではの伝統色も意識しながら、シンプルで現代的なコーディネートを創り上げます。」
八芳園 フラワーアーティスト 今平 慶子さん
【東京】キンプトン新宿東京
紫の花々が優雅に咲き誇る
藤棚を思わす大胆アレンジ
■この人に聞きました
「洋花やグリーンにストレリチア(極楽鳥花)やクレマチス(鉄線)など、和名の花を組み合わせると良いアクセントに。和装のふたりが入場することで、コーディネートが完成します。」
Best-Anniversary(キンプトン新宿東京)空間デザイナー 飯田 史彦さん
【東京】パレスホテル東京
野趣あふれる和の草花が
圧倒的な心躍る空間を演出
■この人に聞きました
「竹や笹など、和をイメージさせる素材を取り入れています。また多種類の花材を使うよりもシンプルにまとめた方が、和の凛とした雰囲気が演出でき、ホテルの空間にも合うと思います。」
72 seven two 清水 弘子さん
コラボレーションアーチスト 山口 祥次郎さん
【東京】ホテルニューオータニ
いけばなの手法を織り交ぜて
伝統と格式に斬新さをプラス
■この人に聞きました
「会場の雰囲気や色合いに合わせ、花材はもちろん衣裳の柄、料理までトータルに考えると統一感あるコーディネートに。和モダンは特に足算引算が重要。クロスやペーパーアイテムは今回はあえてシンプルに。」
フラワーショップレインボウ
チーフフラワーコーディネーター 井出 恭子さん
【関西】奈良ホテル
洋の花をアクセントにした
モダンな和コーディネート
■この人に聞きました
「あえて洋の花材を取り入れ、洋×和のモダンなコーディネートに。ボリュームのメリハリや高低差などで立体感のある、ウエディングにふさわしい優雅な空間づくりを意識しています。」
川辺生花店 川辺 祐一さん
【関西】リーガロイヤルホテル
正餐テーブルを舞台に描く
枯山水と真っ赤な紅葉
■この人に聞きました
「花材の種類や色を抑えてシンプルにすることで、和をモダンに表現。会場の特徴や照明をいかして、ドラマティックな見せ場を作るとゲストの目にもより華やかに映ります。」
日比谷花壇 リーガロイヤルホテル店 FCRトップフローリスト 三井 位介さん
【関西】平八茶屋
凜とした胡蝶蘭を際立たせた
美しき日本文化の世界観
■この人に聞きました
「シンプルでありながら単調にならないよう意識しています。花器なら骨董品店で購入した年代の古いものと、近代的なものとを組み合わせるなど、良い違和感が出せる工夫をしています。」
バルフロール VALFLOR フラワーデザイナー 冨田 美雪さん
【関西】ハイアット リージェンシー 京都
萌える緑に菖蒲の白が映える
爽やかな初夏の風景を表現
■この人に聞きました
「澄んだ色をメインカラーにするとエレガントでモダンな演出に。花器に苔・竹・緑茶など伝統色の緑色を入れると、コントラストが生まれメインの花材がより鮮やかな印象になります。」
ユーアイフローリストワークショップ マネージャー 藤村 浩晃さん
【東海】料亭 河文
柔と剛の相反する質感をいかし
紫の花々が彩る優美な祝宴
■この人に聞きました
「まずどのようなおもてなし空間で、大切なゲストと過ごしたいのかを伺います。そして季節感や披露宴の時間帯なども考慮して、コンセプトカラーや花材、花器を選んでいきます。」
プランツコレクション 丸の内アトリエ マネージャー 小薬 忍さん
【東海】ホテルインディゴ犬山有楽苑
洗練さと抜け感にこだわり
各花材の個性を引き立たせて
■この人に聞きました
「基本はシンプルに主役を引き立たせること。形や色が異なる花の一つひとつをしっかりといかし、花材の種類を絞ると洗練された雰囲気に。ランナーの色や質感との相性にも気をつけています。」
株式会社ace florist フローリスト 岩井 真麻さん
【東海】百花籠
異素材の小物を組み合わせて
目を惹く高尚な和モダン
■この人に聞きました
「和と洋をバランスよく融合させる、花材選びがポイントです。バラなど洋のイメージが強い花は、和花と洋花の境界線がはっきりと出てしまうので、和の雰囲気にも合うものを選びます。」
一蔵 ウエディング事業本部 デザインプロダクツシューティングジュニアマネージャー 本間 恵理さん
【東海】若宮の杜 迎賓館
高貴な伝統色に際立つ黄色
色鮮やかなネオ ジャパネスク
■この人に聞きました
「コーディネートの配色は、同一か近い色が落ち着くと思います。また日本独自の配色を参考にすることも。どちらも色数は3色以内に収めると、モダンな印象に近づけることが出来ます。」
日比谷花壇 鈴木 公二さん