料亭での結婚式

江戸時代に料理屋として発祥し、特別な宴の場として続いてきた料亭。日本の伝統やおもてなし文化の集大成の場でもあります。
格式が高く、かつては政財界の要人たちの接待の場という印象もあり、一見さんお断りという料亭も多いようでしたが、今ではより開かれた場となり、結婚式や結納、金婚式など家族の祝いの場としても多くの人に利用されるようになりました。
「料亭の結婚式」記事では、築地にある老舗料亭「つきじ治作」を参考に、料亭結婚式の魅力を詳しく紹介します。

－神殿－

つきじ治作には、縁結び・福の神として知られる出雲大社の御神体を祀る「出雲殿」という神殿があります。壁に浮かび上がる竹林を模した光がふたりや列席者を温かく包み込み、厳粛でありながら優しい和の挙式を行うことが出来ます。
館内に神殿がない料亭でも、出張神前式というかたちで、一室に祭壇を設けて神前式が行えたりもします。

料亭内の神殿は、移動の心配もなく列席者も安心して参列できます。広々とした空間なので、親族もゆったり座ることもでき、友人の参列も可能。神前式に参列したことのない友人から「貴重な経験ができました！」と喜びの声も。
笙やひちりきの雅楽の生演奏から始まる神前式。心をひとつに美しい儀式を行うことが出来ます。

－家婚式・祝言式－

料亭内の個室にて行う「家婚式」「祝言式」。呼び方は色々ありますが、日本元来の結婚式である人前式のことです。家族や親族に見守られる中で挙式を行い、三々九度を始め、両家の絆を固める盃を交わす儀式や誓いの詞など日本らしさを感じる、古風な式です。

つきじ治作では、人数によって式を行う部屋が変わりますが、庭を臨み、四季折々の掛け軸が床の間に飾られた料亭の個室にて行われる式は、料亭の設えを存分に味わうことができる貴重な時間。
新郎新婦様の出身地のお酒を使った水合わせの儀や、掛け軸に実家に代々伝わる書を飾り式を行うなど、ふたりらしさを式に組み込むこともできます。
皆のこころがひとつになる、温かな「和」の挙式となります。

－近隣の神社仏閣－

かつて日本の結婚式は自宅で行われるものでした。
自宅のような落ち着いた和空間で、両親に見守られながら支度をし、心を整えていく・・・。育ててくれた両親への感謝を大切にする、美しい日本の婚礼文化。「出立ち」の挨拶をして婚儀へと向かう。そんな花嫁支度の時間を、料亭のなかで過ごして欲しい、とつきじ治作では、支度の時間も大切にしています。

花嫁小物をお母様に付けてもらう、紅を指してもらうなど、最後のお支度を、大切な家族との思い出の時間になるよう、一組一組の支度をサポートしているのだそう。
背景に日本庭園、といったロケーションも絵になる瞬間です。

祝宴は、趣の異なる和室で。つきじ治作では、会場が都内唯一の広さを誇る大広間や、2名～122名まで大小様々な会場が多彩に選べます。美しい庭を眺めながらゆったり寛げ、他のお客様とは顔を合わせないプライベート感が料亭の魅力。

料亭の結婚式の一番の楽しみは、何と言っても料理！普段なかなか口にすることのできない食材をふんだんに使い、手間暇かけた職人技が光る美しい品々にうっとり。受け継がれてきた伝統料理は、日本の四季の美しさや、食文化の豊かさを感じられるものばかり。つきじ治作では、日本料理の基本である「五味五色」の彩りを、全国から厳選した旬の食材でつくり出し、味付けはもちろん目でも楽しめるよう、盛り付けや器選びにもこだわり、晴れの日の祝宴にふさわしい料理が振る舞われます。

料亭ならではの結婚式の一番の特徴は、古くからずっと、日本のおもてなし文化を繋ぎ客人をもてなす「心」。他のお客様と合わないよう配慮した部屋の配置や、スタッフの動き。その宴席が、その季節、その時、最高のひとときとなるよう、結婚式の準備期間、お支度の時間、ゲストを迎える部屋や空間、当日の料理も含めて、丁寧に丁寧に対応をしてくれます。
その日、その瞬間は二度と訪れないかけがえのない時間。「一期一会」という言葉が意味するのは、そんな料亭の「心」なのかもしれません。
料亭の「心」を感じられる、料亭の挙式にぜひ注目してみて。