元ウエディングプランナー&料理人
ふたりが選んだおもてなしの場所
料亭「つきじ治作」の元ウエディングプランナーの新婦と料理人の新郎の結婚式。「結婚式に長年携わってきた私達の結婚式だからこそ、期待してくださる方も多いと思ったので、正直とてもプレッシャーがありました。でも、振り返れば私達の結婚式の内容はとてもシンプルで何も特別なことはしていないように感じます。ただ、2つのことを大事にした結婚式だったと思います」と振り返るふたり。
ふたりが大事にした2つのこと、1つ目は、
「結婚式の意味一つひとつを改めて考えること」
なぜ結婚式を挙げたいのか、なぜつきじ治作が良いのか、私達が伝えたいことは何なのか、神前式の三三九度の意味、プロフィールやエンドロールをすることの意味、花束贈呈の意味…一つひとつその意味を理解し、何をするのがよいのか考えたそうです。
そして2つ目は、
「一人ひとりを思うおもてなし」
他界している新郎父や新婦母も含め、自分たちにとって一人ひとりがどれだけ大切な方なのか伝えたい、感じて欲しい。メッセージや写真入りの「お手紙」招待状から始まり、当日の対応、結婚式後のサンキューレターなど、ふたりのこだわりが随所に見られました。
挙式
挙式は、館内の神殿での神前式。神前式の儀式一つひとつの意味を全身で感じ、両家が結ばれるご縁に感謝をしながら、縁結びの「出雲大社」の神様に夫婦となる誓いを立てました。
披露宴
引き出物にはゲストの名前のイメージに合わせ、陶芸家が創るカップをオーダー。披露宴会場に入ると、それぞれの席の目の前に一人ひとり名前の文字が入った桐箱が並べられ、披露宴内で開けるという演出。緑、青、黄色、ピンク、グレー・・・さまざまな色のさまざまな模様のカップを手に会場中が笑顔に包まれました。
進行の中で最も時間をかけたのは、お世話になったゲストの方々を皆様に紹介して一人ひとりに直接お礼を伝え、ふたりのお披露目ではなくゲストのお披露目をしたこと。
「花束贈呈
一粒種のあなたはこの世に生を受けた日から今日までご両親の大きな愛に抱かれて、大きく大きく立派に成長してきました。
そして今日、この晴れの日に素敵な花を咲かせたのです。
だからこそ、新郎さんのことを「花婿」、新婦さんのことを「花嫁」と呼ぶのです。
あなたたちおふたりはご両親が種を蒔き、今日までせっせと水をやり大切に育ててきた大きな大きな花なのです。
美しく咲いた花なのです。
今日まで育ててくれて有難う。
あなたの蒔いた種、育ててくれた花は今日の晴れの日にこんなにきれいに咲きました。
これからもよろしくお願いします、という思いを込めておふたりは花束を贈ります」
長年一緒に仕事をした司会者さんが花束贈呈の際にアナウンスしてくれた言葉。
ゲストから「一人ひとりを大切にしている結婚式だった」「自分の大切な人をより愛おしく思いたくなる結婚式だった」と言ってもらえ、ふたりの思いが伝わり、うれしかったという新婦。「振り返ればこの料亭で私たちが学んだ伝統のおもてなしをシンプルに実践した結婚式でした」と笑顔で語ってくれました。